詩を書き始める 雨上がり 夏空 新しい季節 始まる 予感 |
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紡ぐ想い 優しさは 絹より細く 綿よりもろい 糸のようなもの 言葉を紡ぐ糸車は いつも 空回りばかり キシキシと音がして とても 胸が痛くなる 涙ですこし糸をよって 強くしないと使えない いつも プツンと切れてしまう つないでいたい この気持ち哀れ |
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鍵 心を開く鍵を無くしました それは 約束する時の小指のくらい 小さな鍵です |
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乾く 照りつける陽差しに アスファルトは 陽炎をたてる 乾いていくのは 喉だけではなく 気持ちごと 体が乾ききって 砂になりそうだ 暑い日 冷たい水に 救われる瞬間 ひび割れた心に少し浸みた |
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電気だま きのう落ちた雷を 探しに行こう 落ちた雷は きっと 青いビー玉の形で 覗けば中で バチバチと 電気がショートしているに違いない 雷は どこに落ちた? 海か・・・・ 山か・・・・ 雷を探しに行こう |
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梅雨入りの日 湿気を含んだ風が吹く カエルは 激しくモールス信号を 撃つように鳴いてる 西のほうで 今日 梅雨入りしたそうだ ここらも もうすぐ 雨の中さ 海に潜るような気分の 日々が始まるんだよ |
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霧雨 霧雨は 子守歌のように こころを包み込むよ しっとりとして 冷たい 沢山のしずくが ふんわりと絡んで 疲れた気持ちを 優しくなぐさめる 無理して笑うこともなく 無駄におしゃべりすることもせず 静かに ただ静かに このまま 雨に包まれていよう |
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いたみ 肩越しに横顔を見ていた まつげが揺れるのがわかった 頬の動き くちびるの端の動き その一瞬一瞬にときめいて しあわせ半分 胸の痛みでやりきれない |
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雨になりたい こぬか雨の中を ひとり歩けば 重いグレーの空が そのまま 世界をつつんでしまいそうで 怖くなる 音も時間もくるんで この雨は 今日という日を全部 しずくに変えてしまいそうな 気がする 雨になりたい 幾千の雨粒に変わって 地にしみこみ いつか 芽を吹く 名もない花に生まれ変わりたい |
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くちづけ 雨上がり 空は 深い夏の青 急に何故か 口笛を吹きたくなる うまく出来ないけど 空を仰ぎながら 口笛吹けば あなたの顔が浮かんできて 何だかキスを送っているみたい |
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愛想づかしでいいのに ねぇ ひとことでいい 何か 言葉を残して 行って欲しかった 何にもなくて 体中 からっぽで 寒い感じ 喉が乾いても乾きすぎて 水は 火のようで飲めないほど 捨てぜりふ一つでもあれば それをいつまでも糧にできたのに もう ダメだよ 涙さえ 出ないよ |
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雫 指先の上 小さな水の玉 私の心を写す水晶 今 悲しい? 今 愛している? 今 今はもう過去のこと? 占いはいつまでも続く 終わることはないでしょう 気持ちが揺れたとたん 雫が 滑り落ちて はじけてしまった すると 涙 ひとしずく こぼれ落ちて 指先の上に 止まった 今 今 どんな気持ち? ・・・・ |
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届け・・・ 気持ち 届け! 言葉に出来ないから 声には出せないから この心 丸ごと 気持ち まっすぐ 届け! 届いておくれ! |
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瞳の中に 瞳の中に 忘れかけた記憶が写る ぼんやりとした懐かしさ 愛おしいような甘酸っぱさ それは 街並みなのか 誰かの面影なのか 確かめたいのに 涙がこみ上げて 見えない 涙がこぼれて 消えていく・・・ |
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うそ チクン うそ ついた 黒いシミ ひとつできた 自分を壊してる 小さなうそが ひび割れになって いつか 粉々に砕け散る 知っていて また チクン・・・・ うそ ついてる |
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