あなたを好きになった始まりがあるなら
あなたを嫌いになれる瞬間もあるはず・・・・
百年の恋が一度に冷める
そんな場面が きっとあるはず・・・
あなたをじっと見つめて
嫌いになる糸口を探してみる
<あなたの肩幅 広すぎる?
いいえ 頼もしいわ
<あなたの腕 細いかも?
いいえ だらしなく太いよりずっといい
<無口で時々失敗もする
いいの おしゃべりな男より素敵だわ
<ひげ剃りのあと 中途半端
平気 すこしワイルドな魅力よ
<猫背な歩き方 おかしくない?
大きい背中のせいだから 気にしない
<やさしい声 やさしい口調 弱々しい?
そのふんわりした音が いいの
欠点さえ好きなら
あなたのどこを嫌いになりましょうか
こんなだらしない自分を嫌いになるのは
とても簡単なのに
悲しいほど好きで
だからこそ忘れたくて
自分の心に火をつけて
灰になってしまいたい
灰になった私は風にまぎれて飛んでいくの
きっとあなたは 小さいくしゃみをひとつして
鼻をすするかな?
そんな仕草さえ 愛しいと思いながら
消えてしまえたら どんなにいいでしょう
嫌いになりたいの
忘れてしまいたいの
もう 恋することが悲しい年頃だから
最後の恋人を あなたにしたいから
あなたでいっぱいの心のまま
私は 消えたいわ
夢のなかへ