忘れ雨>


明日には引きぬかれてしまうかもしれない
 道端の雑草でも 活き活きと葉を伸ばす
 短い命とも知らずに 飛びまわる
 小さな虫の羽音も楽しげな様子

 両手をもがれても 子供を育てる
 14才の戦場の天使の写真が
 朝刊に載っていた
 
 うつろな微笑で義手を高く掲げて
 指し示してる世界の明日を

 忘れ雨にうたれて
 すこし 心の洗濯しないとね

 ありふれた毎日とか くだらない逃げ口上
 そんな汚い染みは 洗い落とさなくちゃ

 ゆがんだままの灰色の感性で
 老人のように生きていた事に気付いたよ

 頑張ってみるか
 自分に何ができるか 思案ばかりしてないで

 頑張ってみるよ
 負けていられない 気合入れないとね

 忘れ雨よ もっと降れ
 真新しい気持ちで 歩き出そう

 しっかりと
 この一歩を踏みしめよう


タイムトンネル
一日中止まない雨は何を囁く

 重い風が吹いていく

 裸足でアスファルト歩く

 忘れてた言葉 不意に思い出したり

 時間が雨雲の中で窮屈そうに身をよじる

 私だけが 空を見ている

 ちょっと苦い淋しさをかじりながら・・


雨粒がまるで水晶のように
巣を飾るのが見たくて
ロマンチストな蜘蛛は
ジッと待っている
雨の降る瞬間を