友だちのうちはどこ?


1987年 イラン映画 アッバス・キアロスタミ監督作品  


・簡単におはなしのこと
  イラン北部コケマール村の小学校。少年アハマッドは、間違ってとなりの席のレザの大事なノートを
持ち帰ってしまう。さぁ!! 大変!! 先生は 『 宿題は、きちんとノートのしなさい 』とおっしゃった。
これを返してあげないと、レザはとても困るだろう。宿題が出来ないと、明日先生に怒られるだろう。
でもアハマッドのお母さんは『 家の手伝いと自分の宿題をしなさい 』ととりあってくれない。だけど
届けてあげなくちゃ! でも・・・・ レザのおうちはどこ? 意を決してノートを届けに出かけるアハマッド。
ノートは届けられるのかしら? おうちは見つかるのかしら? 


・感想/ きっと日本なら、電話をかけたり別のノートに宿題をしたりして、映画の題材にはならないでしょう。
でも、どんなに小さなものでも、神の恵みと受け止める国の純真な子供たちが存在します。必死になって
うちを探しながら、駆け回るアハマッドが キューンとなるくらいいじらしかったです。
このあとイランは、大地震に見まわれ、この映画のロケ地となった村は、今はどうしているでしょう。
あれから、随分時が流れました。アハマッド役の少年が、心優しいまま立派な大人になっていればと願います。



桜桃の味

1997年 イラン映画 アッバス・キアロスタミ監督作品 


・簡単におはなしのこと
 自分の自殺の手伝いをしてくる者を探し回るひとりの男がいた。男は、人捜しをしながら、その人々から
いろいろな話を聞き、そして自分の人生を振り返る。そして彼は、あるひとりの老人の話に耳を傾けた。
老人がかつて口にした何の変哲もないが特別な木の実の話に・・・。


・感想/ 『 この世は あの世から見に来たいと思うほど素敵なところさ 』という老人の言葉が忘れられません。
どんなに辛くても ほんの少し見方を変えて、どうしても苦しいなら、少し休んでそして歩き出せばいいと。
会話劇のような映画でしたが、きっと歳を重ね、時々見返してみれば、全然感想の変わる不思議な作品だと
思います。わたしにも生きていることに気がつく特別な“ 木の実 ”があるかもしれないのかしら。


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